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Channel: 短歌の日、空っぽの庭
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往くべきや、然り往くべし 2018年より(10)『73歳の冬至まで』~~...

  「季節移ろう」 紫陽花も梔子も見ず過ぎたれどはせし思ひを 夢のごと想ふ 柿の葉の春秋の色 額の花 青柿熟るれば種も好もし 汝が父と汝がはらからとしめやかに 父祖らと汝れを祀れると知る 急かるるも行過ぎかねて、天に地に命の歓喜響くを聞きぬ   「墓穴を掘る」 ジタバタの涯に命運ホームレスと ふさはしきかも地上に家なし お互ひに菩薩の修行 頭を垂れて拝み合ふほか往く宛てもなし...

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往くべきや、然り往くべし 2018年より(11)『73歳の冬至まで』~~ 「夢か現か」「ピピピピ」「隠身」「川沿いの道」

  「夢か現か」 活力のなほある者を閉ぢ込めて置くなと夢にたれかに言はす 長生きの妻のわたしが二人分追求しますこの世あの世を 「赤心」の語をいつ知りぬ 泣きつつに吾子を詠へばわれにあらはれ 真面目とも正気とも知らず 眠れずに最古の歌を朗々謳ふ 悲しくも寂しくもなし楽しとも言へぬ一人の夜は気まぐれ   「ピピピピ」 緑色を反射するもの葉にありて葉緑素とふ名をばつけたり 霜月に鈴の音するも...

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往くべきや、然り往くべし 2018年より(12)『73歳の冬至まで』~~「老化続々」「アブノーマルサイボーグ」「あざなえる・・」「気づかされ」

     「老化続々」 地球掛け短歌のお題「醤油味」そろそろ恋しドイツに三月 疾病の続くも規矩に則りて果たして思ひがけなき出会ひ 甲斐あるや 未だも生きて子を想ふ 心乱れて苦しみたらむ 生活の基盤立てむとわが立てど老いの関節痛みて殺がる 初めての男(ひと)は流石に解脱せり別なる我のミッション完了   「アブノーマルサイボーグ」 サイボーグへ夫を変えたる故国かや 命と力好きに振へと...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(1)『73歳の春彼岸まで』~~ 「新年の景色」「夢にも会わず」「自由力発揮」

  「新年の景色」 こつそりと年の変はりて歌らしきもの一つなき あんまりじゃない 水芭蕉思はす花の清(さや)けくも 白に緑の新玉の窓 赤き実の冬に完熟する待ちて鳥のあれこれ来ては楽しげ 群すずめふくら雀が里にきてパン屑くるる誰かを待ち居り 中世の岩城ありぬ 高木の葉の落ち尽くし時空開きて 断捨離魔 家具は買はぬと段ボール積み上げ隠す収納のワザ   「夢にも会わず」 亡児(こ)の歳を数ゆる生日...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(2)『73歳の春彼岸まで』~~ 「ややに落ち着き」「楽しきかな」「秘儀と真実」「何処も同じ」

  「ややに落ち着き」 外は雪なぜかランプのふと消えてパソコン画面と取り残されぬ 世はなべて聖霊の縁 出会ひゆく貧しく老ひし孤独の人ら 未練残る我楽多のみに満たされて されど自室を得しが何より 逼迫の用事の減りて尋常に流るる時に浸りて 真冬   「楽しきかな」 あらうことかワラヒカハセミそこに居る 双眼鏡ごし亡母にも告げて 心足り心踊りて人間が見つめ居ること笑つておくれ 聖霊の歯車ゴトリ...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(3)『73歳の春彼岸まで』~~ 「人と人」「お彼岸」「地獄で仏ならぬ 極楽で針の山」

・   「人と人」 広げたる黒羽根映ゆるカハセミの旋回 滑空 二月の高笑 君の夢支へむと我が密かなる送金のこと ここに記しをく 見つめ合ふガラス窓より我を見る女性(にょしょう)の瞳 一期の愛と 巣立ちゆく自由のつばさ 眩しさよ命尽くせよついに羽ばたく 天降れるただぼたん雪 うつし世の失せたる跡に独り佇む   「お彼岸」 久々に光あふれて最強の手に(いざな)はるヒナギクとして...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(4)『73歳の夏至まで』~~ 「令和を思う」「早緑のころ」「内界と外界」

  「令和を思う」 始まるは令和の意味を想ふ日々 漢字二つの組み合はされて その旨は和平一義ぞ 先の代は災ひ多く憐れ絶えざり 厄ありて平ら成らざり 次の代は民の心の和むことこそ 厄災に叱咤されたる平和ボケ 民の心を結びて白髪   「早緑のころ」 白波の瀬音はげしき本流に注ぐ支流は静かに澄みぬ 笹舟を落とす水面に無数の輪生れては止まず海までつづく 眼裏(まなうら)にありてほほゑみ浮かび来る...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(5)『73歳の夏至まで』~~ 「香りの記憶」「令和の日本」「この世のコントロール」

  「香りの記憶」 くちなしの一輪の香にひたされて林檎齧れば混ざり匂ひぬ 少女の手摘みてポッケに持ち歩く 萎れてもかぐくちなしひとつ 「いい匂い」お茶屋たたみ屋カステラ屋 天文館におかっぱの頃   「令和の日本」 人類の罪かぶりても一心の民とし 真の和へぞ真向かふ 寂しきにあらねど手持ち無沙汰にてお琴など聴く郷愁のごと 未来往く故国の時刻 コチコチと卓に転がるアナログ時計...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(6)『73歳の夏至まで』~~ 「クロマニヨン人の森」「二十年の記憶」「記憶の現状」「摂理と意識」

  「クロマニヨン人の森」 白き房なせる小花のにほひ立つ卯の花ニワトコ ドイツの森にも 短夜の夜うぐひすは寝(しずも)れり 自然の掟果たしたるらし 岩山の壁に囲まれ生れし空 光も雲も捉ふるに疾き さえづりを命と生くる歌鳥にさそはれ人もオカリナ響かす 水無月の朝日たゆとふ安息日 身の内清(すが)し楽音あるごと 儚きは花の命に非ずしてわたしの華は永久にぞ薫れ 朝十時 青空日曜 楽人はモーツァルト弾く...

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一年の大役終えてさて次は 2019年より(7)『74歳の秋彼岸まで』~~ 「よきにはからえ」「夏の子」

「よきにはからえ」 さえづりが命なるらし歌鳥に さそはれ人もオカリナ響かす 水無月の朝日たゆとふ安息日 身の内清し楽音あるごと 儚きは花の命に非ずかな わが永遠の華密かに薫る 死の刻を心待ちにせん ふと思ひ沸きてひとりの花道踏鞴(たたら) 大小の宇宙の組成 空と色 物理の学に意識も解かれむ ゴミ捨てに出れば極楽北の庭 涼しとおもふサハラの熱に あま粒を冷や冷や肌に感じつつ窓より逃がす蜘蛛の一匹...

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